<必読>秋のステップに参加する前に!~評価・コメントとの「付き合い方」~
ピティナ・ピアノステップの参加者は累計60万人を突破し、2018年は4月から7月までに、過去最高の20,380組(前年比104%超)を記録しました。
もうすぐ夏休み、秋のステップ参加申し込みも始まっています。まだステップに参加したことのない方、まだよく分かっていない方にとって、ステップの「評価」を受け取ることが、ドキドキだったり、どんなものかイメージしにくい、のではないでしょうか。
本日の記事では、自らもステップに多数参加し、かつ生徒のステップ参加指導の経験も豊かな、つまりステップとの「付き合い方」が上手な14名の会員に、ステップの評価をどう受け止め、読み解き、また折り合っているのか、インタビューしてみました。
これらのインタビューを読んで、この秋、皆様とステップとのお付き合いがさらに深まりますように……。いつでも、どこでも、アドバイスがもらえる公開のステージ、ピティナ・ピアノステップへの参加をお待ちしています。
ステップに参加すると必ずステップメッセージとパスポートがもらえます。
基本的には3名のアドバイザーから、演奏に対するコメントおよび評価を受け取ります。
23ステップとフリーステップではそれぞれ評価の仕方が異なります。
1曲ごとに、S・A・B・C・D の5つの段階評価がもらえます。
S | 参加者の方がその時点で最高の演奏をされただろうと思われたときにつきます。 |
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A | 練習した成果がよく発揮され、音楽として感動できる演奏です。 |
B | 基準となる評価です。そのステップで十分合格レベルに達しています。 |
C | 「足りない部分がある」と感じた場合につけます。これは「学びのチャンス」です。アドバイザーからのメッセージで「足りないところ」を確認しましょう。 |
D | もう一度同じステップにチャレンジしましょう。 |
フリーステップには合格・不合格の区別はありません。4 つの言葉による「印 象評価」を参考にしてください(この印象評価は辞退することも可能です)。
Bravo | アドバイザーが心からの感動を表したいときの言葉です。たとえ間違いが多かったとしても、心のこもった演奏に心が揺さぶられたら「Bravo」です。 |
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Great | 高い演奏技術や音楽への深い理解を称賛する際の表現です。 |
Fine | ちょっと驚くくらいに面白い表現や、豊かな歌心にあふれた音楽を感じられたときの表現です。 |
Almost | 「その曲は今よりもっと楽しむことができますよ」と感じたときの表現です。 23 ステップの「D」のように「不合格」の意味はありません。 |
現場で演奏を確認した後の、ホットな状態であれば、アドバイザーからの評価やコメントの背後にある意図もわかるし、生徒さんへのフォローもしやすいですね。
また、事前に生徒の60字コメントを添削して、アドバイザーの先生に聴いてほしいことが明確に伝わるよう、指導しています。
60字コメントをそれだけ重視して徹底活用しているとは!嬉しいです。校内の「学校紹介文選考会」で先生の添削を思い出しながら書いてくれて代表に選ばれたそうです!
自分自身は、誰かと共演することが多いので、それほど評価やメッセージ内容はこだわらず、とにかくステージに立つ機会と受け止めています。
私自身は、人前で演奏する練習の場として参加するようになりました。生徒にステップ参加を促すときは、「人と比べるものではないから」「自分のために良い経験になる」「アドバイザーからのメッセージが参考や励みになる」などと紹介します。そのとき、一番効果があるのは、継続表彰です。
学校で表彰された、というニュースが時折、本部事務局にも届けられます!
ある生徒が、ベーゼンドルファーのピアノに慣れなくて1オクターブ間違えて弾いてしまい、評価でCをいただいたときは少しショックでしたが、Aを下さった先生もいらしたので、何を重視して聴いていらっしゃるのかによるわね、などとフォローしました。評価が分かれる時でも、生徒が前向きになれる言葉がけを意識しています。
厳しい評価があっても、「厳しい評価ばかりではなくて、褒めている面もあってよかったね、先生は良かったと思うよ」とフォローすることもあるとのことでした。
初めて参加した生徒には、可能な限り自分から連絡を取って感想をヒアリングしつつ、受け取ったメッセージや評価について、「良い思い出」として受け止めてもらえるよう、対話します。
そこまで丁寧にフォローしていただきありがとうございます。
評価は子どもよりもむしろ保護者が気にするので、できるだけ直後のレッスンの読み合わせの時には立ち会ってもらいます。
アドバイザーをされていることもあり、言葉の奥にある意図を翻訳しながら説明されている様子を心強く思いました。
一番大事なことは、音楽を楽しむために参加すること。評価について、気にしないという人は一人もいないですし、いい評価は励みになりますが、評価だけにこだわることがないように、「目標に向かって進んでいること自体が素晴らしい」と日頃から言い続けています。
メッセージ用紙は生徒と一緒に読み合わせをし、生徒の成長の記録としてレッスンカルテに書き写して、指針の整理に使います。
メッセージ用紙をコピーしておくという指導者は多いのですが、残念ながら体積がかさばります(笑)。ノートに書き写すことで、指導者が客観的にアドバイザーのコメントを受け取り、整理できるのでしょうね。
指導者自身が参加して、「楽しんで参加している姿を見せる」ことで、ステージは面白い、素晴らしいと生徒に伝えたいです。
いつも楽しいステージ出演をありがとうございます!
講評を一緒に確認するのは、次のレッスン時。あえて当日ではなく、時間を置くことで、落ち着いて改めて振り返る時間を設けています。当日はご家族との時間を大事にしてもらいたいです。
気分が高揚しているしゆっくり向き合うなら少し時間を置いてから、というスタンスでいらっしゃるようでした。当日はまず、自分自身でじっくり静かに読み込みたいですしね。
指導者になり、演奏活動からは遠のいてしまうので、意識的に演奏機会を作り、リハビリのつもりで取り組んでいます。生徒に、評価やコメントの読み方、受け止め方なるものをきちんと教えるためには、必然的に「自ら参加すること」が必要なのではと思います。
まず自ら参加するという姿勢を尊敬します!湊先生は、自らの学びのために2台ピアノ企画や室内楽企画にも参加しているということです。
アドバイス頂いた内容は次のレッスンで必ず一緒に確認します。将来的な音楽の自立を踏まえてまずは曲の構成を知り自分なりの音楽表現を持つことを大切に曲に向き合う様に指導していますが、音楽は答えが1つではないのでアドバイスの内容によっては、納得のいくアドバイスを今後に生かしていける様にサポートしています。
「将来的な音楽の自立」を目標に据えて、ステップでもらったアドバイザーからの意見も、浅野先生からの意見もあくまでも一つの意見であり、生徒自身がどうしたいと考えるかを重視している、ところが素晴らしいと思いました。
生徒の中には、今までもらったアドバイスを自発的に表にまとめて、自分の傾向を確認している生徒もいます。
過去にも同じ指摘を受けていたとか、一目瞭然でわかりますね。
生徒のパスポートには必ず「指導者のコメント」を記入しています。生徒の演奏を聴き、メッセージを読んだ上で、アドバイザーの先生方が書かれなかったことを書くようにしています。
パスポートの「指導者のコメント」欄、ご利用ありがとうございます!
曲目は、普段やっている教本から、背伸びをせずに個人のペースで、生徒と一緒に選びます。受ける級や評価で他の人と比べるのではなく、「自分の曲をピカピカにしよう!」を合言葉に、私も同じ地区で参加して楽しんでいます。
生徒と同じ地区で参加することで、生徒が体験した感覚・気持ちを理解し寄り添う姿勢でいらっしゃるので、生徒さんも安心してステップ参加が続くのでしょうね。
自分の場合も、生徒の場合も、「本番の1か月前」にステップを設定しています。褒めてもらうよりも、直すべきところがどう書かれているかを読み込みます。失敗したときも、「これが本番でなくてよかったね」と前向きに捉えます。
さすがに、自分がやってきたことと反対のことを指摘されれば驚くこともありますが、1か月前なので、そのアドバイスを取り入れるかどうか判断するのに変に混乱はしません。
参加を本番の「1か月前」と決めることで、うまく考えの整理ができているという事例と思います。今回、アドバイスを活かせなくても、次回の学習の機会につなげればよいですね。
子どもにとっては、アドバイザーから言われることよりも、やはり保護者や、ふだんの先生から言われることのほうが大事だったりする面もあります。私自身も、よくできたね、とイラストやコメントを書いてあげたり、お父さん、お母さんにも、褒めてもらう側に回っていただきます。
講評・継続表彰の時間では、アドバイザーの先生方からご家族のご協力のおかげであるというお話をよく聞きますよね。
難しい字や言葉が読めなさそうな時は、ちゃんと解説してあげる必要があります。ピアニストの先生から厳しいコメントをいただくこともありますが、「ピアニストの気持ちとしては、こういうことを目指して、と念じてくれているんだよ!」と解釈して説明します。
ご自身が参加したとき「厳しい評価を受けても次までに這い上がる」とおっしゃっていました、さすがですね!
頂いたメッセージを生徒と読み返しながら、生徒自身が経験して何を感じたか、本番の演奏について、自分はどう思ったかを重要視しています。評価は人によって違うのは当たり前で、ひとつの考えにすぎないと伝えます。
連弾など複数人でのステージを上手く活用し、演奏スタイルとして捉えるだけでなく、誰かと一緒に演奏することから音楽の楽しさを再認識する場になるのが、ステップのすごいところです。
このようにして、ピアノをやめるつもりの生徒が続けるようになったという嬉しいエピソードを教えてくださいました。
我が家の4人の子供たちと一緒に、私もソロや連弾で参加しており、最近は次男と連弾をしています。コンペや演奏会の前のリハーサル代わりに、という事が多いので、ほとんどがフリーステップ、評価は「印象」です。コンペの「点数」のようにシビアではないですし、絶対的なものではないですが、「ブラボー」を頂くとテンションが上がり二人で喜びます。
たまに「ブラボー」をたくさん頂いた子がいると、うれしすぎて次の本番までに手を抜いてしまいがち、という事に気を付けるように子ども同士で注意していらっしゃるとのこと(笑)。
中学生の息子に、「印象(評価)って、コンペの点数とはまた違うよね。」と話したところ、「たしかに、『印象』ていうのは漠然としているけど、『人を惹き付ける力がどのくらいか』という点は、コンペでも大切だから、僕は『ブラボー』が一つもない時は、『もっとがんばらないといけないな』と思うようにしてる」と言っていました。
点数の評価と別の次元があるのを、つかんでいらっしゃる様子を嬉しく思います。
練習が足りなければ、充分に弾けないので、それで評価がよくないのは当たり前です。そんな時は「コメントを参考にして、評価はあまり気にしないで」とフォローします。
厳しいアドバイザーも、中にはいらっしゃいますよ。でもその評価が、お世辞やへんな気遣いなしの、真の評価なんだなあとも思います。
ステーションの運営スタッフの皆さんは、当日アドバイザーの先生方に間近に接しているので、お人柄やお考えがわかりますよね。
ステーション代表としては、今回、厳しかったね、と仲間の先生方に気持ちを共有すること、あります。すると、皆さんも少し安心するみたいです。
ステップには本人が希望しない限り、参加させません。そうでないと、いい評価をもらえなかった時に周囲のせいにしてしまいます。その上で、音楽に一つの正解はなくいろんな解釈があるということを、参加する生徒・保護者に事前に伝えておきます。
日頃からのそのような理解や共有が大事なのですね。
バッハコンクールの前にリハーサルでステップに参加した子がいて、少し辛口の評価とメッセージを受け取りましたが、悔しさをばねに、もらったメッセージ用紙をピアノの上に置いて本番まで練習を重ねてくれました。
悔しくてメッセージ用紙をピアノの上に置いて練習するとは見上げた心意気!いろいろあったかもしれないけど、良い経験につながっていれば嬉しいです。
これらのインタビューを参考に、ぜひ秋冬のステップにご参加くださいね!
生徒が参加する際には、ほぼ必ず現場で演奏を聴き、ビデオも回し、できれば終わった直後の段階で、会場で一緒に評価やメッセージをチェックします。