ピティナ・ピアノステップ

ステップ20年目の節目を迎えて~上総治子先生インタビュー

ステップ20年目の節目を迎えて~上総治子先生インタビュー

1998年の設立以来、31回にわたりステップを開催してきた巣鴨ステーションが、10月29日・30日に行われた巣鴨秋季ステップを区切りにその活動を終えました。第1号ステーションとして創設期からお力添えくださり、年間550か所で開催するまでにステップが広がる土台を作ってくださった、代表の上総治子先生にお話を伺いました。


今やりたいことは?という質問に「ピアノの音が好きだから、やっぱりピアノを弾きたい」と答えて下さった上総先生。ピアノへの、音楽への愛情が尽きることなく溢れています。

東京音楽研究会を立ち上げるという、故・福田靖子先生からのお便りが、私の人生の一つの転機となりました。バイエルだけで育ってきた私が「バスティンメソード」という新しいテキストに出会い、さらにはバスティンにとどまらず広く音楽・教育について研究する学びの機会と、共に切磋琢磨する仲間と出会えたのは靖子先生のおかげです。ステーションの設立は、そんな靖子先生について行こうという想いもあって引き受けました。メンバーには、これは生徒の成長・自分の勉強になると同時に、広く社会に役立つことだと伝え、社会貢献の活動だという共通認識のもとスタートしました。

入会して約50年、ステーション活動を続けて20年。ジェーン・バスティン先生をお迎えするなど様々なセミナーを実施し、またステップを通じてたくさんのピアノを愛する皆さんとの交流を得られました。様々な経験をさせてもらい、ステーション代表として「やりきった」と思えたんですね。若い頃に恩師から頂いた「時代をよみ、自らを変えていく努力をする」という言葉を胸に、このタイミングで自分の立ち位置を新たにすることにしました。現在は山手支部の活動をサポートしていて、今年発足したピアノ指導者のサークル「Pianon」では、参加された方の質問やお悩みにお答えしています。若い先生方が何に悩んでいるかを知り、自分の経験談やノウハウを共有する過程にも色んな発見がありますね。

巣鴨秋季ステップでは20年間の様々な出会いへの感謝を、小原孝先生作曲の「逢えてよかったね」にのせて届けました。

巣鴨ステーションを誰かに引き継ぐのではなくクローズすることを選んだのは、人はそれぞれ異なる長所や個性を持っているから。次の世代の方には、誰かと同じことをするのではなく、自分らしいやり方を探しながら走っていってほしいと思います。

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