ステップと共に歩み出す指導キャリア
卒業シーズンを迎え、新たな世界に旅立つ期待と不安とを抱きながら日々を過ごす学生さんもいらっしゃることと思います。
今回は、大学卒業後、ステップを活用しながら熱心に指導を行っている二人の若手指導者をご紹介します。
ピティナの会員層は経験豊富な40~50代が中心ですが、これからキャリアを積んでいく若い先生にも関わって頂きたいですし、その活動を応援できたらと考えています。
みなさまもぜひ、周囲にいらっしゃる若い先生方を後押しして頂けたらと思います。
鹿児島県・徳之島にて主に幼児~高校生の生徒を指導している坂下先生。昨年12月、14名の生徒が徳之島ステップの舞台に立ちました。
先生自身は鹿児島県本土の出身でしたが、岡山県の音大を卒業後、広島の音楽教室に1年間勤務。その後、縁があって徳之島のヤマハ音楽教室へ赴任、2016年度からはシステム講師の仕事に加え個人レッスンも稼働予定です。
「ステップに出演した生徒は、先生方からのメッセージをまっすぐに受け止め、また次のステップにも出たいと意気込んでいます。いつもより少しレベルの高い曲に挑戦した生徒や、他の人の演奏を聴いて刺激を受けた生徒など、ステップ出演を通してそれぞれの成長が実感できました」と坂下先生。これからも、一人ひとりのニーズに合ったレッスンができるよう、自身も指導者として貪欲に学んでいきたい、と話す姿が印象的でした。
東京の音楽大学を卒業後、地元静岡に戻りピアノ教室を主宰している田辺先生。学生時代より国内外のコンクールで結果を出しており、演奏活動も行いつつ後進の指導にあたっています。生徒は中高生以上の大人が多く、昨秋の掛川11月ステップでは、2年連続で大人の生徒が舞台に立ちました。
「ステップは『人前で弾く場が欲しい!』と思ったときに気軽に参加できるところが利点だと思っています」と田辺先生。近場で開催されるステップや、地元の音楽イベントを生徒たちに告知し、本人たち希望に合わせて参加を決めてもらっているそうです。人前で弾く機会や、他の参加者の演奏を聴くことは大人の生徒にとっても大きな刺激となり、練習に熱が入っていくのがわかるのだとか。
今後の展望としては、「ただ生徒の人数を増やすのではなく、よりレベルの高い教室をつくりあげていけるように努力していきたい」と語る田辺先生。穏やかさの中にも芯がある話しぶりで、ピアノ指導に対して誠実に向き合っている様子がうかがえました。