赤とんぼ 編曲オーディション開催記録
2013年5月26日（日）、東音ホールにて「赤とんぼ」編曲オーディションを開催しました。今回ご応募頂いた59作品のうち、選出された作品はヤマハミュージックメディア(YMM)やミュッセからの出版が検討されます。来年度以降のステップでステージに登場するかもしれません！
オーディションの結果、YMMとミュッセへの推薦曲として、16作品が選出されました。
- ご応募頂いた編曲作品は、社団法人日本楽劇協会より編曲許可を頂いております。
開催の趣旨 
● 審査員長 中田元子先生（ステップ課題曲選定委員会委員長）
この度は初の試みにも関わらず、沢山の方にご応募を頂き大変嬉しく思っております。
「今年の１曲」企画には、「日本人に古くから愛唱されている唱歌を、子どもたちに永く残していきたい」という想いが込められています。今年度の「ふるさと」に続き、2014年度は「赤とんぼ」を選定しました。
今回、幼児からご高齢の方まで親しんで演奏して頂けるような「赤とんぼ」作品が欲しいと思い、編曲作品を一般公募させて頂きました。力作ばかりで難しい審査となりましたが、「ステップで演奏される曲」とは何なのか、指運びのスムーズさや、楽譜の読みやすさ、自然と耳に入ってくるメロディーであることを重視し、選考させて頂きました。
参加者の声 
- 海外から留学生が来た時に、自分が編曲した日本の曲を弾いてもらって、 「これが日本」って伝えられたら素敵だと思いました。
- どうしても生徒にとって「バロック」というのは堅く難しいものになってしまうので、身近に感じてもらえるよう、バロックスタイルの赤とんぼを編曲しました。
- 編曲にしっかり取り組んだのは今回が初めてでした。左手のための曲を書いたのですが、「他人に受け入れられる曲」を意識し、実音審査は別の方に演奏をお願いしました。
- 審査員の講評を聞いて、これは作品コンテストではなく、「ステップで演奏してもらうためのオーディション」なのだということが認識できました。
DVDでの応募作品も同時に審査しました。審査員より講評 
● 佐土原知子先生 （ステップ課題曲選考委員）
個性を発揮しつつ、原曲から離れすぎない為には、まずアレンジの構成を考え、基本的な和声でハーモニーを付け、土台をしっかり構築した上でリハモナイズして頂くのがよいかと思います。また、ピアノは倍音の関係もあり、たくさん音を重ねればフォルテになるわけではないので、配置を工夫したり、ときには音を削る決断が必要な時もあります。
ステップの課題曲を選定する際には、「何度でも弾きたくなる曲」「弾くたびに発見がある曲」をポイントにしています。課題曲に選定されれば、ご自分以外の誰かが演奏をすることになりますね。多様な演奏者を想像し、録音してみたり、他人に演奏してもらうなど、様々なシチュエーションで客観的に作品と向き合うことで、より完成度の高い作品になるのではないかと思います。
● 小山和彦先生 （作曲家）
色々な想いが込められた「赤とんぼ」を聴き、私にとっても大変刺激になりました。曲のコンセプトが何なのか、演奏してほしい対象者は誰のか、考えながら編曲することは至難の業ですが、それを踏まえて書くことが大きな鍵です。また、実際に演奏して「楽しい！」と思えることが一番ですので、ご自身で音を出してみることに加え、他の方に演奏をして頂く中で、作品を高めて行って頂ければと思います。
このような編曲の機会に、「実際に楽譜に書いて仕上げてみる」のは大切なことです。楽譜に仕上げることにより、ピアノソロに必要な要素や、アンサンブルの仕方を身をもって感じられるようになります。今回はピアノの先生や、音楽大学卒業生にもご参加頂きましたが、是非、今後も作品を書き続けて頂きたいと思います。
◎出版社の方にも立ち会っていただきました。
● 生田佳輝さん （ヤマハミュージックメディア出版部）
たくさんのすばらしいアレンジ作品を聴かせていただきまして、 ありがとうございました。
実際多くの人に弾いて楽しんでいただくには、 収載する曲集のコンセプトにのっとり、レベル、サイズなど、 さまざまな制限の中で、いかに自分らしさを出し、楽譜を目にしたときに、表現したいことや演奏方法がわかる ということが必要になってくると考えます。
自己表現の場ではご自身がわかればよいのですが、出版される楽譜をアレンジする際は、そのあたりをしっかり意識して アレンジを楽しんでいただけますと幸いです。
YMM・ミュッセへの推薦枠獲得作品（演奏順）
| 演奏番号 | 編曲 | 曲名 | 編成 |
|---|---|---|---|
| 1部4番 | 大井田 貴美江 | 赤とんぼ | ピアノソロ |
| 3部4番 | 赤松 靖子 | 赤とんぼ | ピアノソロ |
| 3部5番 | 濱川 礼 | （左手のための）「赤蜻蛉」 | ピアノソロ |
| 3部7番 | フィリップ キム | 赤とんぼ～コンサートトランスクリプション | ピアノソロ |
| 4部2番 | 関野 真矢子 | 紅とんぼ～フルートの調べ～ | ピアノ・フルート |
| 4部3番 | 内田 悦子 | 赤とんぼ | ピアノ・クラリネット |
| 4部4番 | 小林 瑞季 | 赤とんぼ～クラシックアレンジ～ | ピアノ・ヴァイオリン・チェロ |
| 5部8番 | 横山 未央子 | 赤とんぼ | ピアノソロ |
| 6部4番 | 尾崎 進亮 | 赤とんぼ～近現代スタイル （ノスタルジア─赤とんぼのテーマによる） |
ピアノソロ |
| 6部6番 | 安倍 美穂 | 「赤とんぼ」によるファンタジー | ピアノソロ |
| 6部9番 | 戸田 愛 | 赤とんぼ～ノスタルジア（郷愁） | ピアノソロ |
| 7部4番 | 石渡 瑞都 | 赤とんぼ～４手のために | 連弾（４手） |
| 7部5番 | Jacob Koller | 赤とんぼサンバ | 連弾（４手） |
| 8部1番 | 上野 文子 | 赤とんぼ | 連弾（４手） |
| 8部3番 | 上杉 公志 | 赤とんぼ ピアノ一台四手のための | 連弾（４手） |
| 8部6番 | 松岡 知子 | 赤とんぼ | 連弾（４手） |
編曲作品でフリーステップに参加しよう！ 
フリーステップではジャンルや編成を問わず、参加することができます。ピアノソロだけでなく、他楽器とのアンサンブルなど、響かせ方は人それぞれ。参加者や先生による編曲作品でのご参加もお待ちしています。団体登録が可能な地区であれば、合唱等の大きな編成での参加も可能です。